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懐かしのペニスたち

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 七日連続更新を成し遂げたので、振り返ってみたいと思う。この一週間に書いたものではなく、昔書いた話を。

「ソフトBL小説集」(連載期間 2010年6月~2010年9月)
https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=8805

 連載期間から察するに、作者が長年勤めていたバイト先が潰れ、日雇いであちこち働いた後、一つの日雇い常連先に定着するようになり、正式にそこのアルバイトとして働くようになる一ヵ月前のこととなる。いわば「最後の自由謳歌時代」といったところ。

「僕達の新記録」(学園ものBL)
https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=8805&story=1


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 高校受験当日に、父の爆死と母の蒸発と姉の結婚と弟の逮捕が偶然重なったために、試験どころではなくなった僕は受験に失敗した。その後も心神喪失状態で何がなんだか分からない内に、僕は県内最悪の不良高校に進学するハメになってしまった。


 冒頭からぶっ飛ばしてる。内容といえば、不良だらけの高校に入学してしまった大人しい「僕」が人気のない所で昼休みを過ごしていると、不良グループが集団で用務員さんを襲う現場にでくわしてしまう、という話。用務員さんのアナルに七人の不良のちんちんが吸い込まれていく。新記録まであと一人、というところで人数が足りないことに気付いた不良が「あと一人」と叫ぶ声に、僕は吸い込まれるように八人目として参加してしまう、という話。学園ものBLの王道である。


「君が泣き止むまで僕は君の涙を舐め続けよう」(切ない系BL)
https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=8805&story=2


「好きだ」
「僕も」
 というわけで僕らはセックスした。


 これ以上ないというくらい簡潔な書き出しである。この後は会話中心で性愛空間と日常での感覚の違いについて、哲学的な討論が交わされる。その末の結論「アナルだって泣くさ」は一つの到達点といえる。最後の一行が冒頭と呼応するように、簡潔で潔い。


「シュレンディンガーのパンツ」(ノンフィクション系BL)
https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=8805&story=3

 被検体のアルバイトで大学に行った話。学生たちの前でパンツ一枚になりながら、思考実験「シュレンディンガーのパンツ」の生贄になる話。

 その前段階の口上に、今の自分でもこれはなかなか、と納得できる部分があった。


 つまり何が言いたいかというと、たとえここで書かれるのがゲイ小説であったとしても、男と男が登場してなにがしかの関係を持つ点ではBL小説と変わりない。おっさんもお爺さんもみんなかつては少年だった。男達について何か書くだけで、それはもう否応なしにBL要素を含んでしまう。
 小説というパンツの中にはあらゆる物語を入れることが出来る。そういうわけで僕はこれからも気にせずソフトBL小説を書いていこう。


 何言ってんだこいつは、と言ってしまうのは簡単だが、「小説というパンツの中にはあらゆる物語を入れることが出来る」というのは至言ではないだろうか。その後の実験の結果については敢えて書くほどのことでもない。教授は空を飛んでいく。


「双子の恋」(シリアス系BL)
https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=8805&story=4

 シリアスと冠しているだけあり、全編真面目な文章で書かれている。最後の三行以外は。完成度が高く見えるのだが、作者としてはどこか不満もある。真面目過ぎるのだ。それも最後の三行を活かすための伏線ともいえるが、もっとこう、最初からがんがん楽しめる文章の方が今の好みである。


「ソフトBL小説を書くための手引書」(新書系BL)
https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=8805&story=5

 当時は新書系の文章を書くのにもハマっていた。実例はこちら。
「新都社で人気作家になるための手引書」
https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=8207

 誰でもソフトBL小説を書けたらいいな! と思って書いた一編だったと思う。
「普通の恋愛小説をソフトBLに置き換える」という実例で、「ベンチで僕は」という題名の淡い恋愛小説を、「ベンチでボブは」という、トレーニングジムでの汗臭い男同士のぶつかり合いに置換させた功績は大きい。自分で読み返しても笑ってしまった。


 振り返ってみると、14年前と今で、発想の根幹といえる部分は大差ないのかもしれない。赤ん坊が中二病を発症するに至るまでの時間の経過があるというのに、大人になってからは、根本的な劇的な変化というのは訪れないのだろうか。

 皆さんも是非、14年前に書いたソフトBL小説を掘り起こしてみてください。
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